EAIE2014(プラハ/チェコ共和国)

報告:EAIE2014 年次大会参加報告(桜美林大学)

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今回は、EAIE2014にシェアブースでご出展の桜美林大学様に、出展の報告書を執筆していただきました。

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◆「EAIE2014プラハ会議」出展参加報告◆
開催期間:2014年9月15日(月)~9月19日(金)
場所:Prague Convention Centre(プラハ、チェコ共和国)


EAIE参加の目的と歴史


本学は「キリスト教精神に基づいた教養豊かな国際的人材の育成」を建学の精神としており、1981年には正式に大学として提携校への学生派遣を開始し、また1991年には英語による外国人留学生向けのNon-degree courseである「The Reconnaissance Japan Program 」を開設して、正式に提携校からの交換留学生の受入をスタートしております。また2010年には2021年の学園創立100周年に向けて「学生の25%程度をインターナショナル・ステューデントとする」という長期ビジョンを設定しました。これらのことから、本学は派遣・受入留学や国際学術共同研究をより充実させるため、これまでNAFSAやEAIEなどの国際会議に参加してきました。なお、本学が最初に参加したEAIE会議は1998年のストックホルム会議です。以後、予算や開催国・都市への本学の留学需要などを勘案しながら参加不参加を決定してきましたが、2007年のトロンハイム会議以降は毎年ブース出展参加をしております。
さて具体的な本学の参加の目的は以下にまとめられます:

1. 出展ブースでの本学の宣伝・紹介
2. 新規提携校開拓のための出展ブース回り
3. 出展提携校担当者との面談・協議
4. 開催地の近隣地域・国の提携校・提携候補校への訪問
5. セッション参加による情報収集
6. 国内大学国際交流担当者との情報交換


上記1、2、4は、前述の長期ビジョン達成のため、今後も本学からの派遣需要が高く、また交流条件が見合う提携校を積極的に開拓するための重要な目的です。
なお、本学は現在提携校が26か国・地域138校あり、年間650名以上を短期・中期・長期の各プログラムで派遣しています。また正規・交換・別科生など23か国・地域約550名の留学生を受け入れております。本来なら、一部の提携校が行っているように定期的に各提携校を表敬訪問し、face to faceで協力関係の確認や懸案事項の解決を図るのが理想ですが、財政的にそれは難しいので、NAFSAやEAIEなどの機会をそれに当てております。これが目的3、4となります。
目的5ですが、EAIEでは欧州に関することがメインですが、高等教育のほぼ全ての分野の課題に関するセッションが設定されていますので、これに参加することは大変よいFD・SDとなります。時間や資金に余裕があればワークショップに参加したり、ご当地の大学見学ツアーに参加するのもいいでしょう。いずれにしても、他の参加者とネットワークを築くよい機会ともなり得ますので、積極的に参加したいものです。
目的6も重要です。EAIEに参加する国際交流に積極的な各大学の担当者と情報を交換することは双方にとって非常によい刺激となります。
なお今回は日程の都合で4の目的は無くなりましたので、それ以外の目的を果たすため、以下に述べるような準備をして参加に備えました。


準備段階


1. EAIEのウェブサイトにて出展国・大学のブースとワークショップ・セッションの内容をチェック
2. 学内国際交流関係部署との打ち合わせ(提携校との懸案事項、提携ターゲット校の決定など)と最新の派遣・受入資料の収集
3. 前年の会議の状況や当年の開催場所を勘案したブースでの配布資料・ノベルティの内容・(部)数の決定
4. 提携校担当者への本学のブース展示時間の告知
5. 「EAIE Conference messaging service」経由の面談申し込み等のアポ取り、スケジュール作成、手土産の用意など
6. 開催国の基本的な高等教育制度情報のチェックなど

上記2についてですが、本学は国際交流部門として、国際連携・研究交流中心の「国際センター」と、学生交流を主幹とする「学生センター国際学生支援課」の二部署に分かれており、今回のようにいずれかの部署から1名のみの参加の場合は、当然ながら以上のような情報共有が必須となります。また持参する資料などに、会議の開催時点で各提携校に派遣または受入れている学生の顔写真のリストなどを加えると、提携校担当者との面談で話が切り出しやすくなります。
なお、今回のEAIEには本学の提携校が多数参加することが判明し、またそれら提携校とはそれぞれに協議すべき案件がありましたので、今回の会議参加の第一目的を提携校との面談・協議に据えることとしました。


会場・ブース設営:(9月16日)


日本の大学のブースは昨年度からJAFSA(国際教育交流協議会)と独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)のブースが一つとなり、その周辺を単独で出展する日本の大学が固める「Study in Japan」エリアとなって、より一体感と対外プレゼンスが増しました。ただ、今回の会場における「Study in Japan」エリアは、韓国、台湾ブースなどとともに2階のかなり奥まった一角に配置されたため、十分訪問者が来てくれるかどうかという懸念がありました。しかしこれは結果的に杞憂に終わり、JASSO発表の「Study in Japan」ブース訪問者数は昨年の記録を更新したということでした。
さて、本学が出展申込したJAFSAブースは期間中単独で1ブースを借り切る場合と、2大学で午前午後と交代でシェアする場合がありますが、本学は昨年同様シェアブースとし、今年は国際基督教大学さんとのコンビとなりました。なお、各ブースの装飾等のアレンジですが、今年の「Study in Japan」ブースはブースとしての統一感を出すため参加大学のバナーなどの掲示はNGとなり、北斎の赤富士のテーブルクロスに各大学名を印字した帯と提灯をブースに取り付ける形となりました(写真参照)。これについては確かに雑然とした印象を与えないし、他国のブースも大体同様の統一感を出しているので、いいのではないかと思いました。が、スペースの関係からか、各自のブースと割り当てられた面談デスクが離れてしまったこと、加えてブース内へのアクセスがやや閉鎖的になってしまったことが残念に感じられました。


なお、大学の資料を置くスペースは一つの机を2大学で分けるということもあり、スペース的にも来訪者が持ち帰りやすいという意味でも、小ぶりで薄い資料を用意すべきでしょう。他国の大学の資料も同様に小さくなっているようです。またボールペンなどフリーで持ち帰られるノベルティを置いておくとブースに立ち寄ってくれる確率が高くなると思います。


桜美林大学ブースにて

最後に、設営日のオリエンテーションで、立命館アジア太平洋大学(APU)の近藤祐一教授が「ブースに張り付くのではなく、積極的に交流を外に求めていくべき」という趣旨の説明をされましたが、正にその通りだと思います。特に参加者が1名だけの場合は、漫然とブースを守っていても事前に設定した目的を果たすことはできませんので、アポや希望セッションの時間を優先してブースを空けることもありました。その際はブースに「何時から何時まで所要でブースを空ける」旨の表示を出しておくべきでしょう。


ブースでのコンサルテーション(9月17日~19日)


期間中のブースでの大学紹介ですが、とにかく笑顔で声をかけ、大学の特徴をアピールします。相手が興味を示したら、テーブル席に移って具体的な交流の可能性を協議しますが、事前に交流担当部署と確認した交流条件を先方が提供できるか(また先方の条件を自分の大学が提供できるか)についてしっかり確認した上で、後日連絡ということになります(帰国後なるべく早くコンタクトを取りましょう)。


レセプションの様子

また、「Study in Japan」ブースでは今年もレセプションを開催しましたが、ここには多くの担当者がやってきますし、盃を交わしながらより気軽に交流ができますので、積極的に声をかけるべきかと思います。本学もあるフランスのビジネス系大学と具体的な交流の話ができました。


各国のブース訪問(9月17日~19日)


提携校や提携校新規開拓のためのブース訪問ですが、時間を有効に使うために事前のアポ取りが重要となります。一般的に、飛び込みでブースを訪問しても他のアポですぐに話せない場合や、不在である場合が多くなります(特に欧米系の大学はその傾向が高い)。ですから、提携校には先に述べたように事前にメールでアポを入れ、新規提携のターゲット校には「EAIE Conference messaging service」を利用したり、また直接ブースに行って名刺とブース番号、希望面談時間などのメモを残すなどして、なるべくアポ・ベースで面談します。今回本学は提携校がないスペイン、ドイツ、フィンランドのブースを中心に訪問し、それぞれ1~2校の候補校を得ました。なお、提携校・新規校の別にかかわらず、ブース訪問時には最後に小さいお土産を渡すと印象が良くなります。


各国ブースの様子


セッションの参加(9月18日)


今回のEAIEは本学提携校の出展が多く、ブース回りに時間を取られてセッションについてはあまり多く参加できませんでした。ただ、米国ミネソタ大学の協力を得た立命館アジア太平洋大学(APU)による、英語で講義を行うNon-Native教員に対するFDプログラムに関するセッションは秀逸でした。このセッションはAPU職員による英語のプレゼンもありましたが、これが職員のSDにもなっているとのこと。またそのFDを修了した教員がFDの実際を説明するにあたり、セッション参加者を学生に見立てた講義形式を取り、その巧みなファシリテーションを披露してFDの成果のほどが十分理解できるような仕組みになっていました。当セッションは私にとって、このようなFDが英語による学位コースで教えるNon-Native教員にとって必須であると思わせると同時に、セッションの構成や職員参加などの工夫も勉強になり、APUさんのグローバル大学へ向けての真剣な取り組みが大いに刺激となったSDでした。


国内大学国際交流担当者との情報交換


EAIEは国内大学の国際交流担当者との情報交換のよい機会でもあります。ブース内での雑談はもちろん、会場内で昼食を共にしながらとか、夜に街に繰り出してグラスを傾けながらなど、同業者の横のつながりを広げる機会に事欠きません。海外のオープンな雰囲気は日本の高等教育のグローバル化について意見を交わすのに最高のシチュエーションと言えるのではないでしょうか。


総括


EAIEもその規模が大きくなり、交流や学習の機会が拡大した反面、参加目的をより明確にしなければ投資に見合う成果を得るのが難しくなったとも言えます。よって当然のことながら、情報収集、学内事前協議、訪問のアポ取りなどの事前準備がより重要になってきます。これらの事前準備を行った上で参加すれば、本来ならより多くの移動時間をかけて行う仕事を、この機会に効率よく済ませてしまうことができます。
ただ、それ以上に、EAIEに参加する国際交流担当者がすべき最も重要な仕事は、魅力ある開催都市のホストに感謝しながら、各国の国際交流担当者と親しく交わることではないでしょうか?これが我々を国際交流担当者たらしめる基礎の基礎であると思うからです。
最後になりましたが、Study in Japanブースのプロデュースにご尽力いただいたJAFSA・JASSOのスタッフの皆様、そして今回ご一緒させていただいた日本の出展大学のご担当者の皆様に心から感謝を申し上げます。

以上


報告者:松戸 秀樹(桜美林大学)




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