実施報告

報告:KAIE2010・第12回年次大会:全体報告(於 韓国1日目漢陽大学ソウルキャンパス2日目PRESIDENTホテル

KAIE(Korean Association of International Educators)年次大会は2010年11月25日から26日にかけて漢陽大学ソウルキャンパス、PRESIDENTホテルにて開催されました。今年度の主題『創意的国際教育と知識共有』(Creative International Education and Knowledge Sharing)のもと、2日間にわたって活発な議論が行われました。 JAFSAからは、塩川雅美氏(学校法人常翔学園)、三好真紀氏、尾場瀬理沙氏(立命館アジア太平洋大学)3名が一般参加者として参加しました。以下は、その報告レポートです。

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このたび、JAFSAからKAIE年次大会に「一般参加者」として参加する機会をいただいた。KAIE創設以来、JAFSAをしのぐ勢いで活発に活動しているKAIEのことは気になっていた。毎年、JAFSAのサマーセミナー等に代表を派遣してくるKAIEの熱心さを思うとき、「日本語」での研修がほとんどであるJAFSAの現状に理事経験者として、申し訳ない気持ちを持ち続けていた。
 
11月25日(木)の朝、宿泊しているホテルのロビーに、KAIEの会長である慶煕大学校の大学院で外国語としての韓国語を研究している日本人留学生2名が出迎えにきてくれた。そのうち1名は、学生アルバイトとして慶煕大学校国際交流センターで週に数日働いているという。この話を聞いても、事務局の中に学生(しかも留学生)を入れて活用することがなかなかできない日本の大学の遅れを感じた。

KAIE年次総会初日前半は、在韓国カナダ大使館による「韓国とカナダの教育協力」と題した基調講演(英語)で幕をあけ、ハラダJAFSA副会長の「Promoting International Education and Internationalizing our universities: Why are we doing this, and are we doing the right things?」が続いた。次に、大韓航空経営企画質常務理事による世界市場での顧客満足度向上による市場戦略についての講演があった。


講演するハラダ氏


初日後半は、複数の分科会から選択するセッションが2コマ提供されていた。JAFSAからの「グローバル30」などに関する情報提供のセッションは、1コマ目に開催され、参加者は熱心に聞いていたが、やや時間不足の印象であった。2コマ目は、「国際交流担当beginner課程」と題した分科会をのぞいてみた。内容は、極めて基本的な「社会人としてのDO, NOT DO」について講演者の体験を交えながらの話題提供であった。同じ時間帯には「Global image making & 服装マナー」という分科会もあったようで、JAFSAでは過去に服装などについてのマナー講座などを開催したことはなかったので、面白い視点だと思った。 

初日の夜は、ブッフェスタイルの懇親会があり、円卓に10名程度づつ分かれて着席して食事を取りながら、情報交換となった。余興として、年次大会会場の休憩場所に並べてあった参加大学のグッズを抽選でもらえるというイベントがあり、大いに会場が盛り上がった。
 
2日目は、総会があり、会長選挙などが行われ、その後、複数の分科会から選択するセッションが1コマあった。私が参加したものは、「国庫事業及び海外機関との国際事業紹介」と題した分科会で、韓国政府からの補助金だけでなく、広くアンテナを張り、EUなどの教育機関とも連携して海外からも補助金も獲得した事例発表であった。

年次大会でも母国語以外での講演やKAIE会員の姿勢に感銘を受けた。

報告者:塩川雅美(学校法人常翔学園)



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1.全体セッション等を通して(JAFSA代表団からの情報発信について): JAFSA代表団としては、JAFSA副会長ジョージ・R・ハラダ氏による基調講演「Promoting International Education and Internationalizing Our Universities: Why Are We Doing This, And Are We Doing the Right Things?」において、世界における国際化の5つのモデル提示から、日本の国際化の方向性に言及があり、世界の国々が国際化に直面する中で、その変化を受け止め、個々の文化や特色を活かしていくこと、各国がお互いから学び、競い合い、高め合うこと、単位互換制度の整備等による質保証の強化が重要であるとの提言が行われた。これらは、年次総会の各セッションの基本をなす事項であり、「国際化について考える姿勢」を示す重要なメッセージの発信であったと感じた。この講演を踏まえ、選択セッションにおいては、JAFSA理事溝口忠憲氏より、日本政府の留学生支援政策?G30政策の現況の紹介、東海大学教授(韓国ソウルオフィス所長)旦祐介氏による国際化プログラムの事例紹介が行われ、具体的な日本における国際化の現状と各大学の取組み例が紹介された。セッションへの参加者も多く、また、時間に余裕がない中でも活発に意見や質問が出されたことから、「日本における国際化の動向」への関心の高さが伺えた。私個人としても(JAFSA代表団の一員として参加をさせていただいたのだが)、国際交流業務を担当してまだ日が浅いこともあり、これらの基調講演やセッションから新たに学ぶことも多く、今後の国際交流業務の進め方等を考える良い動機づけになったと感じている。

2.国際交流担当者との交流を通してセッション等を通じ、国際化の動向を学ぶことに加え、「韓国の大学との交流をいかに進めるか」「韓国の大学との交換留学の促進(日本人学生・韓国人学生をひきつける魅了あるプログラムとは?)」といった実務レベルの課題をもって、KAIE年次総会に参加した。国際交流担当者と直接に話をする機会を得て、学生実態や各大学の特徴的な取組みに関して情報交換できたことが大きな収穫となった。韓国の大学が提供する様々な教育課程・プログラムや柔軟な受入れ体制は興味深く、多様な連携の可能性があるものと感じた。ここで得た国際交流担当者とのネットワークや情報を国際交流推進に役立てていくとともに、このような機会が国際交流の基本を学び、動機づけを行うことに有効であることから、今後もStaff Developmentの一環として、本学職員の積極的な参加を勧めていきたい。最後にJAFSA事務局の皆様、KAIE事務局の皆様、一緒に参加した皆様のご支援に厚くお礼申し上げます。

報告者:三好真紀(立命館アジア太平洋大学)




1.選択セッション2:国際交流部署 電算化構築 及び Social Networking Service 活用報告韓国の国際交流業務において積極的にデータ化、電子化を進めていくべきであるという話と共に、大学で直面している問題や積極的に勧めているネットワークの活用事例を紹介した。中央大学のチョ・ソンフン氏は韓国語が分からない交換留学生のためにホームページやWEB上での履修登録画面を英語でも標記することとなった事例を話し、国際化には情報を英語化することが必要であり、それによって交換留学生の個別対応を少なくすることが可能と述べた。また、交換留学の個人データの管理を専用のシステムを用い、交換留学生及び交換留学派遣学生のバランスなどを管理することにより、正確に学生の管理ができるようになったことを伝えた。慶熙大学のカン・ジソク氏は、大学にて活用しているソーシャルネットワーク、「Twitter」「Facebook」「LinkedIn」を紹介し、各ネットワークにて数千万人のユーザーが携帯機器を通じ存在していることを強調し、実際に受入前の交換留学生同士の交流の場所としてネットワークを使用するなど、ソーシャルネットワークの活用の発展性、多様性、便利性を述べた。

2.選択セッション3:教育力量強化事業及び関連国際教育プログラムの事例紹介教育力量強化事業にて採択された事例の紹介があった。東アジア大学のナ・ジンスク氏は地方大学である弱みを克服するため、「発展計画」と題する事業を行った。その内容とは、SUMSUNGに経営診断を依頼した後、14人のスタッフを集め、理想的な大学であると思われるものを挙げていき、100つのプロジェクトを考え実行するというものである。プロジェクトには、「生産的な会議の構築」や「プロジェクトの終了まで担当者の移動を禁止する」などが挙げられていた。現在プロジェクトの30%を成功させ、大学のランキングも83位から20位以内に入るようになったとの報告があった。プロジェクトは2016年まで行う予定である。 また、カトリック大学のジャン・セフン氏からはGlobal English Outreach Programといわれる「15 Weeks 4 Steps 16 Classes 15 Professors 25 TA」というスローガンを掲げて行われる英語修得コースの実例を述べた。また、フィリピンにて英語を集中的に学びながら、国際的な人材育成の一貫としてボランティアを行う「スパルタコース」について説明があった。参加の機会をくださったJAFSA事務局ならびにKAIE事務局、参加者の皆様、会場校の漢陽大学の皆様の献身的なご支援に厚く御礼申し上げたい。

報告者:尾場瀬理沙(立命館アジア太平洋大学)





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