実施報告

報告:KAIE2010・JAFSA特別セッション

日時 2010年11月25日(木)16:20〜17:10
場所 漢陽大学会場
講師 溝口 忠憲(JAFSA理事)/旦 祐介(東海大学教養学部国際学科 教授) 
参加者数 約20名

2010年11月25日及び26日にソウルで開催された第12回韓国国際教育者協会(KAIE)年次大会及び定期総会に参加した。二日間にわたって180人の国際教育業務担当の大学関係者が参加し、熱気と和気あいあいの雰囲気の中で進められた。JAFSAから5名が参加し、唯一の海外からの代表団して暖かい歓迎を受けた。

韓国カナダ大使館のマイケル・ダナハー氏による基調講演の後、全体セッションでJAFSA副会長ジョージハラダ氏による「Promoting International Education and Internationalizing Our Universities: Why Are We Doing This, and Are We Doing The Right Things」と題して講演が行われた。国際連携の形態を4つに分類し、それぞれの特徴を明快に話され好評であった。

JAFSAセッションでは、先方より日本政府の国際化支援政策:グローバル30政策の現状について報告してほしいとの要望を受けて、溝口より「Progress on Global 30 Programs for Establishing Core Universities for Internationalization」と題して実施状況の概要報告を行った。また、国際化プログラム運営の事例発表として、東海大学旦先生が当大学の国際化取組状況について発表を行った。セッションには約40名の韓国関係者の来場があった。G30プログラムは、留学生30万人計画の実現に向けて、優秀な留学生の獲得の一つの手段として日本語の言葉の障壁を軽減するため英語による学習で学位が取得できるプログラムの開発に重点を置いていること、ダブルディグリーなどの戦略的国際教育連携を推進していること、受入体制や基盤整備をすすめていること、海外拠点を整備し日本留学推進の出先機関として充実させることなどを目指している。過去2年間に、G30に採択された13大学で、英語による学位プログラムは既存のプログラムを含めて、15の学士プログラム、52の修士プログラム、36の博士プログラムが導入された。今後更に23の学士、32の修士、27の博士プログラムが導入される予定であることを報告した。ここまではほぼ順調であるが、新政権の民主党による直前の「事業仕分け」で、G30プログラムは『いったん廃止、白紙で見直し』との厳しい判定が出たばかりで先行き不透明なところもがあるとも報告した。日韓における政府支援のあり方について議論が出きるかと期待したが、時間の関係もあり、特に議論には発展しなかったのは残念である。韓国のカソリック大学や、高麗大学等では、既に授業の30〜40%は英語による授業に切り替えられているとの報告も有り、このような動きは韓国においても積極的に進められているようである。むしろ、韓国、特にソウル地域にある大学の動きは素早いような印象を受ける。東海大学の発表に着いては別途報告があると思われるのでここでは割愛する。

年次総会で韓国の大学等による発表は、すべてハングル語で行われたが、慶熙大学大学院に留学中の日本人学生2名に熱心に通訳をしていただけたので、大変助かった。ここにお礼を申しあげておく。熱意のあるすばらしい学生に会えて嬉しく思った。

二日目に開催された定期総会で、KAIE新会長の選出に立ち会うことができた。二期4年会長を務めた慶照大学のキム・ジュンヒョン氏から、嶺南大学のセンウァン・リー氏にバトンタッチされた。総会では、KAIEの活動がソウルに集中し、地方の大学はないがしろにされているのではとの不満の声が率直に述べられた。新会長リー氏の属する嶺南大学は韓国南部の慶尚北道慶山市及び大邱広域市に有る地方の大学である。どこも同じような問題を抱えていると感じた。今後どのような活動をしていくか楽しみである。

報告者:溝口 忠憲(JAFSA理事)






JAFSAセッション(分科会)では、2つ目の報告として、東海大学の国際戦略のグッドプラクティス[GP]について重点的に説明し、質疑応答を行った。

東海大学はソウル、バンコック、ホノルル、コペンハーゲンに早くから海外拠点を持ち、留学生の獲得に努めている。特に顕著なのは、タイおよびモスクワ・北欧との連携であり、長年の受け入れ派遣に実績がある。またホノルルの短大は、米国教育省のアクレディテイション認定を受けた米国の教育機関として、東海大学附属高校および東海大学から短期・長期の進学・留学を受け入れている他、韓国の漢陽大学からの留学生の受け入れも順調である。

近年はサウジアラビアやカザフスタンなどイスラム文化圏からの奨学生が多くなっているので、お祈り部屋(2つ)を設置し、ハラールの食事を学食で準備するようになった。また、地元企業との産学連携プロジェクトとして、この数年間、留学生のインターンシップを実施し、就職につなげる成果を挙げている。ただし、近隣で受け入れ企業を増やすことが課題である。

報告後の質問では、インターンシップと就職に関するものがあったが、留学生インターンシップは就職を約束するものではないが、実情としては受け入れ企業が結果的に留学生を正社員として雇用した複数の実例がある旨、回答した。インターンシップと就職についての関心の高さが感じられた。総じて、聴衆の英語力の高さが印象的であり、韓国の国際化の度合いに感銘を受け、日本の大学は国際化の点で学ぶべき点が多いと感じた。

報告者:旦 祐介(東海大学 教養学部国際学科 教授)



旦氏の講演の様子




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