NAFSA2016 デンバー大会

報告:NAFSA2016 年次大会参加報告(中央大学)

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NAFSA2016の「STUDY in JAPANブース(日本合同ブース)」に出展した団体より、
関西大学・中央大学様に、事前の準備や大会中の活動について、
報告書を執筆していただきました。出展の参考事例としてご覧ください。

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※関西大学の報告書はこちらです。


◆STUDY in JAPANブース出展参加報告(中央大学)◆

開催期間:2016年5月29日(日)~6月3日(金)(ブース展示期間は5月31日~6月3日)
場所: Colorado Convention Center, Denver, Colorado , USA


 中央大学(以下「本学」)は、毎年NAFSA年次大会に参加しており、2010年からはJAFSA合同ブース(フルブース)に参加をしている。
 NAFSAに参加して良かったかと質問をされたら、即答で良かったと答えることが出来る。おそらくそれは日本の大学に限らず、NAFSAに出展しているすべての教育機関がそう答えるのではないかと思う。ではNAFSAに参加して有益だったかと聞かれると、それは参加機関により、また同じ機関でも個人により自信を持ってYESと答えられるかはそれぞれ違うのではないかと思う。参加実績のある大学にはすでにご存じの内容ばかりとなってしまうが、今後参加を検討している大学の方々の参考になれば幸いである。

 まず、NAFSAへの参加は決して安い買い物ではない。本学からは今回5名のスタッフが参加をした。出展ブースにかかる費用、NAFSAへの参加費、出張者の渡航費・宿泊費・出張諸経費、荷物の運搬費用がかかる。また他大学等と一緒に1つのブースをシェアする参加方法もあり、それも経費を縮小する1つの手段になる。どちらにしても決して安い金額ではないため、その費用対効果が高いかどうかがNAFSAへの参加を決める1番の要因になるのではと思う。


NAFSAに参加する意義


 NAFSAにブースを構えて参加する意義は何か。
 1つ目には新規協定校の開拓や共同の教育プロジェクトの開拓などを目的とする機関(NAFSAには教育機関向けに営業を行う企業等も多数参加しているため、ここでは大学・短期大学・語学学校などの教育機関を「機関」と記載する)が多くの共通する目的を持って参加していることである。NAFSAは実質4日間という限られた日程で開催されるが、共通の目的を持った機関が集うため、短期間で効率的に協定に向けたミーティングや情報収集を行うことができる。
 2つ目には1つの会場に世界各国の機関が集まることである。本学の場合、特定の地域に限らず世界各国に協定校があるが、世界各国に散らばっている協定校とは現地まで出向かなくても、NAFSAの会場でほぼ会うことができる。また、その他の海外協定校を求めている機関を知るためにもNAFSAのように1つの会場に世界中の機関が集まる環境は非常に有効である。
 3つ目は、海外でありながら多くの日本の大学が一堂に会することが大きな意義ではないかと思う。同じ目的を持った国際部など国際交流事業の最先端で仕事をしている教職員が集まる。そこには過去の成功や失敗、現在の近況や苦悩、将来の計画や希望など、参加大学の数と同じだけの事例や経験が集まっている。
 今回のNAFSAの「Study in Japan」(日本ブース)はNAFSA参加の中でも会場内最大規模で展開した。つまり、日本の大学の国際交流に関わる情報の宝庫なのである。それを有効活用できるかどうかがNAFSA参加の費用対効果を高められるかどうかの大きな一因になるのではないかと思う。


本学の参加者構成


中央大学からの参加メンバー

 本学からは教員3名、職員2名の合計5名で参加した。
 本学では国際交流事業を行う部署を国際センターと呼んでいる。参加者の詳細は、参加経験1回の日本人教員(国際センター所長)、NAFSA参加経験多数の外国人教員(国際センター副所長)、初参加の外国人教員(総合政策学部)、参加経験多数の日本人職員(国際センター)、初参加の日本人職員(総合政策学部事務室)であった。全員英語でコミュニケーションをとれる参加者であった。

 今回の経験をもとに参加者選定の参考になればと思い、どのような人選が良いかを記載する。
 少なくとも1名は国際交流事業の経験が豊富なネイティブスタッフを選出したほうが良い。NAFSA参加経験のある方はご存知のとおり、NAFSAでの協定校開拓は単年で終わらないことが多い。そのため複数年にわたって過去の経緯がわかるスタッフがいることが重要になる。
 また、協定先機関とのミーティングや実際の協定の準備を進める際、協定先機関の教育環境や文化(アメリカの大学と協定を結ぶ場合はアメリカ)を理解しているスタッフであるとなおさら良い。
 次に、国際交流事業について決定権を持っているスタッフを選出できると、必ずしもその場で協定を締結することはなくても、決定権を持つスタッフがいることでミーティングがスムーズに進む。
 最後に、学校教育法、大学設置基準、学則等の規程に長けたスタッフがいると良い。外国大学等と協定を結ぶ際、相手国の制度・相手大学の制度では実現可能で優れた協定案であっても、日本の大学設置基準上または本学の学則上その案が実現できない場合、どんなに議論を重ねても無駄に終わる可能性がある。

 今回の出張で実際にあった例をいくつかあげる。本学学生が交換協定で取得する単位と直接交換協定とは関わらないが本学独自で行う国際教育関連科目の単位を上限何単位まで単位認定をすることが可能か、1年間の交換留学プログラムのうち、前半の1セメスターをコミュニティカレッジ、後半の1セメスターを4年生大学に派遣が可能か、またそこまで具体的な話までは議論しなかったが、ダブルディグリープログラムの構築をいくつかの大学と検討をしており、その際の単位認定方法、大学間の学年暦の差異、学位授与の時期や方法などがあげられる。
 特定のプログラムに係る交流を希望する場合、その設置に関わる知識があるスタッフが選出できると議論が円滑に進むことが期待できる。また、選出されるスタッフ全員が英語でコミュニケーションをはかれることが望ましいのは言うまでもない。


出展ブース


 NAFSAの出展ブースは、ミーティングスペースおよびカウンタースペースがセットで1つのブースとなっている。ミーティングスペースにはテーブル1台と椅子が4脚設置され(追加注文も可能)、事前にアポイントをとっている協定校や協定候補先とのミーティングに使用する。カウンタースペースにはカウンターが1台設置され、その上に大学案内などを置き、ブースを訪れる人に大学紹介などをする。


ミーティングとカウンターの様子

カウンターでの対応の様子


(1) ミーティングスペース


 主に協定校、あるいは協定締結に向けて具体的な話が進んでいる機関と、事前にアポイントをとり、1件につき30分程度のミーティングを行う。また当日でも空き時間があり双方のニーズがマッチする場合はその場でミーティングを行うこともある。
 既に協定を締結している機関とのミーティングは、特別な問題がない限り、主にお互いの派遣学生の様子や今後の受入人数の確認、又は新しいプログラムやイベントの紹介など、30分あれば十分だが、これから協定に向けて議論をする機関に関しては、30分という短い時間で多くのことを議論しなければいけないため、事前に確認項目の洗い出しや双方のアジェンダの確認など、事前準備を十分にしておくことが重要である。
 また短期間で多くの機関とミーティングを行うため、後日どの機関とどのような話をしたか整理できるよう、ビジネスカードの保管および対話の記録を残しておくことも重要になる。
 本学はこのミーティングスペースでは主に3名のスタッフ(国際センター所長、副所長、職員)が対応にあたった。 


(2) カウンター


 カウンターでは、事前にミーティングを予定していないが、本学または日本の大学に興味を持っている機関が立ち寄り、立ったままで情報提供を行う。すぐに協定や共同プロジェクトに発展することはあまり多くないが、双方のニーズがマッチしている場合、将来的に協定締結に向けた具体的な話がこのカウンターでの対応が起点となることから、重要なポジションになる。
 本学にも言えるが、日本の個々の大学名は世界的に認知度が高いとは言えない。まずは大学名を知ってもらう、また本学の場合は東京にある大学だということを知ってもらうことがその後の協定に向けた可能性を高める第1歩になるように感じた。
 物で釣る必要はないが、大学のオリジナルグッズをカウンターで配布し注目を引くことで情報交換のきっかけを作ることが出来る。特に、日本の文房具は世界的に人気が高いため興味をひきやすい。本学では、大学名入りのボールペンをカウンターで配布した。
 本学は可能な限り常時2名のスタッフ(外国人スタッフおよび日本人スタッフ)を配置し、来訪者への情報提供を行った。


JAPAN-SIGの取り組み


COIプログラム参加の現地高校生と一緒に

 NAFSAでは「MIG= Member Interest Group」という名称で、テーマ別研究グループによる活動が行われているが、NAFSA内での日本に関心のある有志グループは「Japan-MIG」(日本側での通称: Japan-SIG, Special Interest Group)として活動している。
 JAPAN-SIGの取り組みのひとつである、NAFSA開催地の高校で日本語を学ぶ生徒を対象とした「COI (Community Outreach Initiative) Program」への参加者が、EXPO Hallを訪れ、日本の大学の関係者と対話し、日本の大学の情報を収集した。この取り組みは2014年のサンディエゴ大会に始まり、今年で3回目となった。カウンターを訪れる若いお客さんとの会話は、ほとんどの来訪者が大学関係者である中でとても新鮮である。


参考までに・・・


 私自身今回が初めてのNAFSA参加であり、また私見で大変恐縮であることを前提に、今後NAFSAへの参加を検討いただく大学様に参考になればと思い、以下にアドバイスを記載する。

◎事前準備を綿密に
 実質4日間で終了してしまうNAFSAをいかに有益に進められるか、それは事前準備をいかに綿密に行うかにかかっている。参加者の選出や準備は前述のとおりであるが、それ以外にいかに効率的にミーティングを実施するか、そのために協定校や協定校候補と事前にミーティングのスケジュールを組めるかが重要になる。

◎積極的なコミュニケーションを
 NAFSA開催期間中、レセプションへの参加、ブースに立ち寄る機関への情報の提供、参加日本大学との情報交換の場などが多々ある。
 レセプションへの参加は、NAFSA会場でも話せる内容が多いが、プライベートも交えて話せる非常に重要な機会となる。レセプションでは、ホスト大学だけでなくそこに招かれた多くの他の機関の関係者との出会いを通じて、将来的な(極端な話翌日のNAFSAの会場で)協定に向けた検討に進める場合もあるので、レセプションには積極的に参加をしたほうが良い。
 また、ブースでは元々アポイントをとっている機関以外でも双方のニーズがマッチして話が発展することもあるため、可能な限り椅子に座って待つ姿勢ではなく、常にカウンターの目の前にスタッフを配置し、自大学に興味を持つ機関への情報提供および情報交換を行えると良い。
 最後に、日本の大学の参加とのコミュニケーションを積極的にとることをお薦めしたい。日本の大学からの出張者は日本で会えると思わず、前述のとおり志を一にした複数の日本の大学スタッフと情報交換をできる機会はなかなかないため、これを積極的に活用していただきたい。

◎十分な名刺を
 それぞれの機関の国際交流事業の前線で活躍している方々とは積極的にビジネスカード(名刺)交換を行ったほうが良い。そのため名刺は余るくらい準備していくことをお薦めしたい。

◎参加にかかる費用を限りなくミニマムに
 早い段階で航空券やホテルを確保することで経費を抑えることができる。またNAFSAへの参加申込を早めに行う(アーリーバード)で経費を抑えることが出来る。NAFSAは各年単位では短期決戦であるが、毎年実施されることから長期的には長期決戦となる。その費用対効果をいかに高めるかがNAFSA参加を継続的に行っていく重要な点になるのではと思う。


 最後に今回の合同ブース出展にあたり、Study in Japanの取りまとめをしてくださったJAFSA事務局およびJASSO関係者の皆様に心から感謝を申し上げたい。


報告者:平川 泰彦(中央大学 総合政策学部事務室)





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