APAIE2016(オーストラリア メルボルン)

報告:APAIE2016 JAFSA奨励セッション -2-

JAFSA奨励セッションについて


JAFSA奨励セッションとは、APAIEにおいて、日本が継続的に質の高い発表を行い、プレゼンスを示すことを目的に、セッション発表者としてAPAIEの審査を通過した会員に対し、JAFSAより奨励金を支給する制度です。
対象者には、日本の国際交流団体としてのJAFSAを広報することや日本の代表者として質の高い発表を行うこと、日本の国際教育交流の現状を発信し、参加者との間の興味と友好関係を深めることが期待されます。
2015年度は「名古屋大学 星野晶成氏」「国際教養大学 前中ひろみ氏」の2組が選出され、同大会にて発表していただきました。
 ※「国際教養大学 前中氏」の発表報告は⇒『こちら』よりご覧ください。


セッションの概要 (名古屋大学 星野氏)


発表日時:2016年3月3日(木) 11:00-12:00
発表場所:Melbourne Convention and Exhibition Centre (MCEC)
参加者数:約40名
タイトル:
A New Trend of Japan-Southeast Asia Student Mobility:
What is Happnening Now?
発表者:
(Chair)Akinari Hoshino, Nagoya University(名古屋大学 星野晶成氏)
Kazuko Suematsu, Tohoku University (東北大学 末松和子氏)
Kriengkrai Boonlert-U-Thai, Ph.D., Chulalongkorn University
Isao Ogake, DISCO Inc.(株式会社ディスコ 大掛勲氏)



セッションの内容


 国境を越えて教育を受ける学生の数(国際学生流動)は年々増加している。一般的な国際学生流動は発展途上国(South)から先進国(North)に向かう流れが主流である一方で、それとは異なるベクトルとして、日本と東南アジア諸国間の学生交流が急激に増加している。本発表では、この現状を説明するとともに、この増加の要因と今後の動向を議論した。

 初めに名古屋大学・星野の発表では、JASSOの統計をもとに、日本人大学生の東南アジア諸国への留学の現状を説明した。他地域への留学とは異なり、1)2009年から2013年にかけて約4倍の人数増加、2)人気の留学先はタイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、ベトナムの順番、3)留学する大学生の80%が1ヶ月未満の滞在、そして4)北米留学と比較すると理系学生の積極的な参加等が確認できている。また、名古屋大学のケースでは、1学期未満の短期研修の約40%が東南アジアで実施されており、その内の60%が文部科学省の補助金や奨学金によって支援を受けていることを報告した。

 東北大学・末松の発表では、JASSOの統計をもとに東南アジア諸国からの外国人留学生の受入れが増加している現状を説明した。具体的には、2013-2014年度を比較して、国別にベトナム(91.6%)、ネパールは(79.9%)、ミャンマー(21.1%)、インドネシア(14.4%)、タイ(13%)の割合で外国人留学生が増加している。また、東北大学の外国人留学生にもこの影響が出始めている。中国と韓国からの留学生が以前大多数を占める一方で、インドネシア、タイ、そして、マレーシアの留学生の人数が増え始めていることを報告した。この背景には、1)東南アジア地域の人口増加、2)経済力や家計の向上、3)日系企業の進出、4)日本の政策(ODA、日本語教育、日本留学フェアや大学の国際展開)、6)口コミやSNS、そして、6)日本の大学の積極的なリクルート活動の影響を示唆した。

 チュラロンコン大学の発表では、近年日本への派遣・受け入れの留学生(短期・交換留学生)が増加し、多くの学生がJASSO等の奨学金や政府の補助金事業の一環で渡航していることを報告した。また、チュラロンコン大学では、英語での開講科目が増えていることも、日本人留学生にとって魅力になっていることを示唆した。また、今後、1)アジア内とASEAN内の交流をどのようにバランスをとるか、2)大学院生(修士・博士課程)・教員同士の研究交流をどのように促進させるか、3)現地語での開講科目をどのように扱っていくか等の問題を提起した。

 最後に、株式会社ディスコ・大掛の発表では、日系企業が東南アジアに進出している現状を説明し、海外経験のある日本人大学生、及び東南アジア出身学生の新卒需要が高くなっていることを説明した。同時に、企業において外国人留学生がどのような分野で重宝され、また、障壁があるかをデータに基づいて活説明した。今後も東南アジア需要が続いていくことを前提に、大学に対して提案を最後に行った。

 本発表には、日本以外の関係者も興味を示し、約40名程度の参加があった。発表終了後には、日本以外の参加者から「日本から東南アジアに留学する学生の増加をプラスとマイナスどちらに受け取るか?」等の質問を受けた。引き続き、この特定地域間における学生交流が日本と世界における国際教育にどのような影響があるのかを探求していきたい。                                                     報告者:星野晶成(名古屋大学)


発表資料  (閲覧のみ)


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