APAIE2018(シンガポール)

報告:APAIE2018 JAFSA奨励セッション

JAFSA奨励セッションについて


JAFSA奨励セッションとは、APAIEにおいて、日本が継続的に質の高い発表を行い、
プレゼンスを示すことを目的に、セッション発表者としてAPAIEの審査を通過した会員に対し、JAFSAより奨励金を支給する制度です。

対象者には、日本の国際交流団体としてのJAFSAを広報することや日本の代表者として
質の高い発表を行うこと、日本の国際教育交流の現状を発信し、
参加者との間の興味と友好関係を深めることが期待されます。

2017年度は関西大学 池田佳子氏をLead Presenterとした発表チームに
APAIE2018 シンガポール大会に於いて発表していただきました。


セッションの概要


発表日時: 2018年3月27日(火曜日) 11:00-11:45
発表場所: APAIE2018 Marina Bay Sands, Singapore
参加者数: 約50名
タイトル: Employability of International Students
      :Curriculum to Promote Employability for Japan-bound International Students

発表者
(Chair) Dr. Keiko Ikeda SUCCESS-Osaka / Kansai University
    Dr. Anak Khantachawana / Monotsukuri Project Program by KMUTT, Thailand
    Mr. Hayato Mori / WA. SA. Bi. / MORI KOSAN Co., Ltd.


セッションの内容 (関西大学 池田氏)


JAFSA奨励セッション_発表者3名と聴衆の様子

関西大学では、2017年から留学生の就職、国内での定着・定住支援の事業を積極的に進めてきています。CARES-Osaka事業(留学生の住環境・就職支援事業)は今年(2018)で3年目に突入し、昨年度2017年からは、SUCCESS-Osaka事業(留学生就職促進事業)が新たに始まりました。国内において徐々に認知度が高まっていると感じつつも、留学生はあくまでも世界中から集まるわけですから、国外にこのような取組についてより発信していかなければならないと考えていました。

日本が今、外国人留学生に対して、従来のような「ゲスト」として日本に暫時的にとどまるのではなく、労働人口の減少の著しい日本国内において、有能なグローバル人材(財)として、国内で就職し、そして長く住まい、日本人住民と多文化共生社会の構成メンバーとして生活基盤を築いてもらいたい、と願い様々な動きがあることを、将来日本へ留学生を送り出す立場の海外高等教育機関の国際教育関係者に伝えるべく、今年度のAPAIE(2018)において、JAFSA推奨セッションの指定を受け、「留学生の就職力(employability)」をテーマに、パネル発表を行いました。 

本パネルは、あえて関西大学限定の活動の報告とはせず、「就職力(employability)」全般について、世界各国の国際教育関係者に関心を持ってもらえるよう配慮したセッションとして設計しました。発表者3名についても、国内大学で事業を担う場合(本学のケース)、海外の大学で日本へ(もしくは日系企業へ)の就職力を高める取組を行う場合(キングモンクット工科大学)、そして国内外で大学機関としてではなく民間の就職支援エージェントとして留学生の支援を行う場合(WA.SA.Bi.)と、多様なケースの共有を行うことができるメンバー構成で挑みました。

パネルでは、世界各国の大学生がどのような資質が「就職力」につながると考えているのか、そして採用する企業側はどんな能力や資質を望むのか、といった点を、THE等が行ったサーベイ結果をベースに話を展開し、聴衆がテーマを理解した上で、Khantachawana氏による「KMTTのモノづくりプロジェクト」の概要についての発表がなされました。4年間をかけて、日本語、日本の社会の仕組みを学び、さらには日本への企業訪問などを含んだ派遣も取り込んだ「就職支援教育カリキュラム」をタイで展開しておられ、JICAからの補助金なども活用し、民間との連携も行って進めておられます。日本・日系企業で就労する上で、大学機関が提供できる教育とは何か。日本企業の展開が著しいタイの事情なども言及があり、聴衆の日本の機関からの参加者らにとっても参考になった内容でした。


奨励セッションの様子_森隼人氏

WA.SA.Bi.の森氏は、日本で就職を希望する留学生に求められる様々な環境変化への対応、必要な高次な言語レベル(ビジネス日本語など)、エントリーシートや面接といった留学生の母国社会とは異なることが多い特徴のある就職活動の一連について、わかりやすく解説を行い、エージェントとしてその各段階において丁寧に伴走する作業を行っておられる様子を、多くの実際の活動の様子をスライドで共有しながら説明していただきました。
日本における就職のプロセスを国外の機関に伝え理解をしてもらうことで、送り出した側(海外)と受け入れた側(日本)の齟齬やプロセスの理解の異なりが生み出す摩擦などを抑止することができます。この観点からも、本発表も大変有益であったと考えています。


最後に、私(池田)から、SUCCESS-Osaka事業の発表をしました。本事業では、関西大学をはじめ大阪府下の4つの大学が連携し、大阪府や各自治体の国際交流協会、民間企業、経済団体、銀行といった多様な分野の組織がコンソーシアムを形成し外国人留学生の就職・定着支援を行っています。3人目の登壇者として、本事業においても、就職活動が本格化する3年次ではなく、1年次から設計するロングスパンの教育カリキュラムデザインが、本事業の大きな特色となっています。このearly startとも見えるプログラムこそが、日本での持続可能な就職のための力、就職力(Employability)を作り出すのだという要点を強調し、発表をさせていただきました。


奨励セッションの様子_池田氏と活発な質疑応答の様子

聴衆は、ありがたいことに会場の部屋全体が参加者で埋まるほどの盛況で、アジア・欧米、そして日本の大学関係者が関心を寄せてくださったことを大変ありがたく、またとても良い機会を頂戴したと思っています。最後のQ&Aの時間も、日本に関わりがある参加者だけではなく、ヨーロッパのケースなどとの比較ができたと感想を述べてくださった方もおられ、本パネルが望んでいた反応があったことを大変うれしく思います。セッション後に多くの参加者と名刺交換・懇談を持つことができ、今現在もコミュニケーションが継続しております。

APAIEへは、2014年以来毎年参加させていただいておりますが、この場から多くの出会いと新しい試みが生まれています。パネルでの発表も、この効果を促進させる上で大変有機的な活動であると思います。今後も機会があれば、「日本の国際教育」のプレゼンスを高めるためにも、そして新しい出会いのためにも、多くの方を「巻き込んで」、積極的な参加を心がけてまいりたいと思います。
また、奨励セッションとしてJAFSAに広報いただいたことで、日本国内の大学関係者にも、このような事業があることを認知いただく機会となりました。ご支援ありがとうございました。
                                                                             報告者:池田佳子(関西大学)


発表資料  (閲覧のみ)


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