EAIE2015(グラスゴー/スコットランド)

報告:EAIE2015 JAFSA奨励セッション

JAFSA奨励セッションについて


JAFSA奨励セッションとは、EAIEにおいて、日本が継続的に質の高い発表を行い、プレゼンスを示すことを目的に、セッション発表者としてEAIEの審査を通過した会員に対し、JAFSAより奨励金を支給する制度です。
対象者には、日本の国際交流団体としてのJAFSAを広報することや日本の代表者として質の高い発表を行うこと、日本の国際教育交流の現状を発信し、参加者との間の興味と友好関係を深めることが期待されます。(日本側2名まで、現地発表者1名まで)
2015年度は「立命館大学 堀江未来氏」が選出され、同大会にて発表していただきました。


セッションの概要


発表日時:2015年9月16日(水) 15:30-16:30
発表場所:The Scottish Exhibition and Conference Centre (SECC)
参加者数:約90名
タイトル:
Cross-cultural peer learning on campus: lessons from Australia and Japan
発表者:
(Chair)Miki Horie, Ritsumeikan University(立命館大学 堀江未来氏)
Yukako Yonezawa, The University of Melbourne(メルボルン大学 米澤由香子氏)
Toshiko Sakamoto, Ritsumeikan University(立命館大学 坂本利子氏)


セッション発表の様子

多くの参加者

発表者 坂本氏、堀江氏、米澤氏  (向かって左より) 


セッションの内容


 大学教育の国際化や高等教育市場のグローバル化の進展に伴い、海外留学派遣と留学生受け入れの数が増加する中、そういった国際移動に参加しない大多数の学生に対して、キャンパス内でいかに質の高い国際教育機会を確保するか、という課題は、世界各地で共通の関心ごととなっている。EAIEでは、1990年代前半においてすでにそのような問題意識が議論され、「Internationalization at Home」というキーワードのもとに分科会が設立され、活発な議論が続いている。本セッションの目的は、キャンパス内での国際教育機会の拡充課題を教育学的な観点から、「cross-cultural peer learning(多文化間共修)」の概念でくくり、日本とオーストラリアにおける実践状況を紹介し、EAIEの参加者と意見交換を行うことであった。
 
まず始めに、堀江は、セッションの導入として、日本の大学国際化の流れにおいて、なぜ多文化間共修環境の拡充が重要なのかを、現在の政策展開を含めて紹介した。また、多様な文化的背景を持つ学生がともに教室に座っているだけでは自動的には「学び」は起こらないという認識に基づき、学生間の相互作用をいかに設計し、教育的価値を高めることができるか、その方法論の開発を課題として整理した。
 
 次に、米澤が、オーストラリアで行われた多文化間共修に関する研究プロジェクト「Finding Common Ground」の概要説明を行い、続いてメルボルン大学で実施されている多文化間共修の事例として、学部授業の1科目を紹介し、「Finding Common Ground」の枠組みに沿う事例分析を行った。
 
 坂本は、日本での多文化間共修実施の状況について、北海道大学、東北大学、名古屋大学、立命館アジア太平洋大学、立命館大学の5大学の事例を紹介した。各大学の実践内容の概略を紹介した後、それらの事例から導かれる所見として、1)多文化間共修授業の到達目標、2)達成目標とする技能、3)評価方法、4)相互作用を促進するための方法論、5)国際学生、国内学生それぞれの成果、6)学生、担当者、教育機関それぞれにとって検討課題を報告した。

 質疑応答では、日本やオーストラリアのみならず各国の参加者から多数の質問やコメントが寄せられ、このテーマに関する国を超えての関心の高さがうかがえた。質問内容としては、多文化間共修に向いている分野やトピックについて、学びのプロセスを対象とした評価のあり方についてなどがあった。また、今回の発表について英語で論文化する要望もあった。日本での実践事例についてもさらに広く集めながら、日本の大学教育の文脈で有効な多文化間共修の方法論について、引き続き探究を進めたいと考えている。
                            報告者: 堀江 未来(立命館大学)


発表資料  (閲覧のみ)


【注意】
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