EAIE2012年(ダブリン/アイルランド)

報告:EAIE2012 第24回年次大会JAFSA奨励セッション

日 時: 2012年9月13日(木)16:00-17:30(現地時間)
場 所: The Convention Center Dublin
参加者数: 40名程度

発表タイトル: Service Learning in East-Asian Universities
発表者:  1. Kun-liang Chuang (Feng Chia University 逢甲大学)
      2. Ki-jeong Lee (Hanyang University 漢陽大学)
      3. 有松真規子(昭和女子大学) ※(筆者、JAFSA会員)


Chuang氏


本セッションではService Learning(S/L)の利点を提唱し、台湾、韓国及び日本での実践例を発表した。まずはチェアのChuang氏(逢甲大学)から背景説明及び発表があった。高等教育の国際化が進み、学業成績や大学経営を意識しすぎた結果、大学機関が産業化している現状がある。学生や教員は自己利益を追求し、社会的責任を忘れている。これを改善する一つの方法としてS/Lを提案する。グローバリゼーションが高等教育に与える影響、またS/Lがなぜ効果的なのか、理論づけるためにFriedman, Darwin, 孔子、Levinas, Snow等の哲学を用いて説明。S/Lを実施している海外や台湾の大学が増加傾向にあり、逢甲大学、台湾師範大学等事例や学生の感想を紹介。近年、国際協力に対し再度注目高まっている。


次にLee氏(漢陽大学)から韓国における留学生のS/Lについて発表があった。漢陽大学の紹介、韓国の留学生マーケットについて説明。2003から2011年の8年間で留学生数は7倍以上増えた。(12,000→90,000人) S/Lが学業成績や大学に対する満足度にも影響するという調査結果がある。S/Lは「自己成長」、「社会とのつながり」、「学習効果」、「大学との関係」いずれの項目にも好影響を及ぼすことが判明した。


Lee氏(向かって右)


最後に有松から昭和女子大学のS/Lについて発表。本学は学園目標に「世の光となろう」を掲げ、3年前には学内にコミュニティーサービスラーニング (CSL) センターを設置、Campus Compact(米国大学とのS/Lネットワーク)の加盟大学でもある。一方、1988年創立の海外キャンパス、昭和ボストンでもS/Lを実践している。昭和ボストンのカリキュラムにおいてコミュニティーサービス(CS)は中枢であり、教室では得られない学びの場となっている。CSは学生と実習先、双方にとって有益である活動であり、学生は語学の習得のみならず、人間としての成長もできる一方で地元コミュニティーへの奉仕活動により社会の一員としての責任も芽生える。授業としては、週に1度活動内容や感想を共有するほか、CS Journal(Reflection)を提出させている。今春ボストンで研修中の学生100名以上にCSがボストン研修にどう影響したかの意識調査を実施。1から10(1:悪い、5:変化なし、10:良い)の評価で、70%が8以上、93%が6以上という結果だった。自分が貢献できることの喜びを感じ、「辛い、たいへんと思っていたけど楽しかった」という学生が多い。また「支援する」「助ける」という考えから「させてもらう」と変化した学生もいる。本学のCSLは「私を変える」(自己への探究)、「社会を変える」(社会問題の理解)、「学びを変える」(学習成果の応用)の3つのコンポーネントから成り立っている。このようにCSLとは大学で学んだ知識を社会貢献活動に役立てながら社会問題の解決につなげ、自らの学問や人生を検証したり、深めたりできる有効な体験学習といえる。

最後に私を奨励金の対象としていただいたことに深く感謝したい。今回の発表経験を今後の活動につなげていきたいと思う。


フロアからの質問

有松氏


報告者: 有松真規子(昭和女子大学)





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