実施報告

報告:KAIE2011・第13回年次大会:全体報告(於:慶州ヒルトンホテル)

KAIE(Korean Association of International Educators)年次大会は2012年2月1日から3日にかけて慶州ヒルトンホテルにて開催されました。今年度のテーマ『Integrated Approaches to International Education』のもと、3日間にわたって活発な議論が行われました。 JAFSAからは、団長として高田幸詩朗事務局長、一般参加者として仁田野実季氏、有井健氏(立命館アジア太平洋大学)、発表者としてブライアン・マサハート氏(武蔵大学)、上林奈津子氏(テンプル大学ジャパンキャンパス)の合計5名が参加しました。
以下は、その報告レポートです。

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大会前日1月31日、KAIEのサンワン・リー会長の計らいで韓国南部の大邸にある啓明大学校 (Keimyung University )・嶺南大学校 (Yeungnam University ) を学校訪問することができた。大学の特徴やカラーが全く違う両校だが、いずれからも国際交流担当部署のディレクターを初めスタッフの方たちから詳細な活動説明を受けた。また食事のご招待を受け大変お世話になった。特にリー会長の所属校である嶺南大学校のスタッフ愼氏には日本語の通訳も兼ねて市内を案内していただいた。関係者の方々にこの場を借りて再度お礼を申し上げたい。



2007年にJAFSAの事務局長に就任してから、NAFSA・EAIE・APAIEなど数多くの国際教育フェアに参加する機会があったが、KAIEの大会にはこのたび初めて参加する機会を得た。従来11月に実施されていたKAIE大会は今年度から2月開催に変更された。KAIE年次大会には全部で約100校、180名の参加登録があり、各メンバー校とも1~2名は参加する計算になる。韓国の大学の国際交流関係者の意識の高さが伺えた。また今年は特に過去最高の人数だと聞いた。今回JAFSA以外にも、台湾のデリゲーションFICHETもゲストに呼ばれていた。オープニングで挨拶をした後、KAIEとのMOU(覚書)交換式が行われた。内容は親善的な文章であるが、KAIEとは今後とも具体的なプロジェクトなどが進むことになるだろう。

1日目には、4つの講演が行われた。在韓国ブリティッシュカウンシルによる「英国における国際教育の戦略と傾向」(英語)、留学関係財団によるIntroduction of Establishing Overseas Branch Campuses (韓国語)、Education USAによる「Your Partner in Globalization」。この日は海外へどう眼を向けるかというテーマが中心だった。また科学技術部担当者による「Policy of International Student Recruitment」は、大学の受入れ・オリエンテーションなどの体制評価についての具体的な韓国の大学事例が報告され、ワースト10が発表され罰則も課されるなど韓国らしいラディカルな一面を見た。ただし、実施には告知期間が短かったなどKAIEメンバーからのコメントがあるなど率直な意見交換がなされた。夕食は参加者の懇親会を兼ねており、円卓に10名程度分かれて着席し情報交換を行った。テレビ番組のプロの司会者が仕切りをするイベントがあり、ゲームが行われるなど和気あいあいで盛り上がる中、1日目が終了した。
 
2日目と3日目は分科会に分かれ、私はSouthampton大学のRichard Emery 氏による「Managing exchange and study abroad」、JAFSAプレゼンターMassahadt氏、上林氏による発表、昨年11月広島で実施したJAFSAウィンターセミナー参加者によるJAFSA参加報告(韓国語)に参加した。盛りだくさんのプログラム構成であったが、KAIE参加者は熱心に聞き入っていたのが印象的だった。JAFSAの参加型のものと違い、どちらかというとプレゼンテーション発表型が多くを占めていた。

KAIEは1998年に創設された比較的新しい団体であるが、韓国の中で大学数や留学生数が増えていく中、日本と同じく様々な課題に直面しているところがある。JAFSAは今後ともKAIEと知恵や経験の共有を共有し、人物交流を図っていき、お互いに切磋琢磨しながら次世代の国際教育交流を推進していきたいと思う。



報告者:高田幸詩朗(JAFSA事務局長)


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このたび、JAFSAからKAIE年次大会に「一般参加者」として参加する機会をいただいた。参加して感じたのは、多様な国・地域から数千人規模の参加者が集い、多岐にわたるテーマが扱われる他の国際会議に比すると、韓国国内の高等教育事情や、今後の方向性等について集中的に理解を深めることが可能であるという点であり、セッションのテーマ設定を見るだけでも韓国の高等教育関係者が今まさに取り組んでいる事案についての傾向を把握することができる。

今回の年次大会に参加して最も印象に残ったのは、教育科学技術部によるセッションであった。「Policy of International Student Recruitment」のテーマのもと行われたこのセッションでは、2011年に整備された留学生の募集に関するガイドラインを踏まえた質保証の取り組みについて紹介があり、評価指標(募集方法、アカデミックサポート、生活のサポートなど)の説明のみならず、個別大学の評価結果の紹介が具体的になされた。内容については大変興味深く聞かせていただいたが、国際化を推進している国内の大学が同じ指標によって評価されたならば、どのような結果になるのか考えさせられた。

また、参加者の多くが母語とする言語で行われる会議に参加することで、率直な意見交換の場に出くわすことができ、他の年次大会では伺い知ることが難しいと思われる実態、国際教育の現場の雰囲気などを直に把握することができた。例えば、前述の政府関係者によるセッションでは、発表後にフロアから活発な質疑があり、政策そのものやその遂行のあり方に対する指摘、新方針によって大きな影響を受けた大学からの意見など外からは見えにくい事情を垣間見ることができた。

高等教育の国際化促進に注力している同じアジアにある非英語圏の近隣国の状況を把握することは、今後の方向性を考える上で参考になる点が多々あり、多くの気づきを得ることができた。このような貴重な機会をくださったKAIE、JAFSA両事務局の方々に心より感謝申し上げたい。

報告者:有井健(立命館アジア太平洋大学)


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この度はJAFSA訪問団の一員としてKAIE年次大会に参加させていただいたことにより、韓国の高等教育事情や、韓国の各大学の取り組み、実績について理解を深めることができたと感じている。特に、協定校の協力の下で海外インターンシップを提供している大学による事例報告や、英国大学職員による「Managing exchange and study abroad」のテーマのもと行われたセッションで言及のあった韓国の大学の海外への打ち出し方やその方策については、韓国の大学関係者ならずとも参考になる点が随所にあり、多くのヒントを得ることができた。



また、さまざまな場面で日本の高等教育に対する関心の高さについて再認識させられた。たとえば、参加者の中だけでも日本語が堪能な教職員が相当数おり、そういった人材が日本を含むアジアなどの担当として国際部署に配置されていること、訪問団としてKAIE年次大会に招待されたのは日本のJAFSAと台湾のFICHETの関係者のみであること、またJAFSAやFICHET特別セッションの設定があったことなどからも窺い知ることができた。

期間中は、形式的な挨拶にとどまらず、さまざまな情報交換を行うことができた。参加者の中には若手も多く、KAIE理事メンバーも30代後半の方が中心と聞いた。各職場では現場に比較的近いところにおり、また同時に大学の方向性や高等教育事情についても広く把握され、政策立案に携わっている方も多く、実態を聞くに相応しい方々ばかりである。今後の円滑な交流促進につなげるためにも、今回のような場を通じて継続的にネットワークを強化することが重要であると感じた。

KAIE年次大会は、一部を除き、基本的には司会進行からセッション発表、配布資料まで主に韓国語で行われているが、KAIE事務局の取り計らいと、JAFSA事務局の調整により、大会参加者の中から数名が英語もしくは日本語でJAFSA訪問団に通訳をしてくださった。従って、興味のあるセッションに飛び込み、生の声を聞き、韓国各大学の現状や実績についての理解を深めることができた。このほかにもJAFSA訪問団の一員として参加させていただいたことにより、KAIE、JAFSA両事務局の方々にさまざまなご支援を頂いた。みなさまのご支援に心より感謝申し上げたい。

報告者:仁田野実季(立命館アジア太平洋大学)





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