NAFSA2018 フィラデルフィア大会

報告:NAFSA2018 年次大会参加報告(青山学院大学)

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NAFSA2018の「STUDY in JAPANブース(日本合同ブース)」に出展した団体より、
青山学院大学大学様に、事前の準備や大会中の活動について、
報告書を執筆していただきました。出展の参考事例としてご覧ください。
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※岡山大学の報告書はこちらです。

※筑波大学の報告書はこちらです。


◆STUDY in JAPANブース出展参加報告(青山学院大学)◆

開催期間:2018年5月27日(日)~6月1日(金)(ブース展示期間は5月29日~6月1日)
場所: 米国フィラデルフィア、Pennsylvania Convention Center


本学のとりくみ


青山学院大学(以下、本学)は2002年よりNAFSA年次総会に参加しており、今回はじつに16回目の参加となる。
ここ数年は既存協定校との情報交換を主目的として国際交流課に所属する学生交流担当の職員2名が出席するのが慣例となっていた。だが今年度は本学のグローバル化への一層の飛躍を狙って、執行部から国際交流担当の副学長、および国際交流課で国際広報を担う担当者も加わり、従来の2倍、計4名での参加を決めた。
役割分担としては副学長と広報担当者がチームを組んで大学協定の新規開拓を含む様々な情報収集や情報交換にとりくみ、学生交流担当者2名は従来どおり既存協定校との打ち合わせにあたることとした。ブースは例年通り、JAFSAの「STUDY in JAPAN」内でのシェア・ブースによる出展とした。
事前にそれぞれのチームが海外大学とアポイントメントをとって準備を進めた。面談をした相手校は最終的に70校あまりにのぼった。


NAFSAに出展するメリットとは?


今回出席して最大の収穫は世界の高等教育の現場感やトレンドを肌身で感じ取れたことだ。
新規協定校の開拓交渉では、国・地域によって現在、どのような学生やプログラムが求められているのかが手に取るようにわかる。短期プログラム(PG)の需要が高いところ、インターンシップPGを求めている国、理系学生を重点的に送り出そうとしている国など、需要は一様ではない。また非英語圏の国の中でも交換留学生にIELTS6.5など高い英語力を求める大学もあった。


協定校であるドイツの大学との打合せ後に

日本の大学にとっては耳の痛い、世界大学ランキングの数字が大きな影響力を持つことをあらためて実感した。「うちの大学はノーベル賞受賞者がいるので」と気炎をあげる大学にも出会った。一方で新規協定を持ちかけた際、ランキングの数字だけでなく、本学について大使館に照会するなど様々な手段を駆使して、ていねいに評価してくれる大学もあった。
ルーチン化しがちな協定メンテナンスでも相手校と直接会うのはメリットだ。派遣・送出のインバランス是正や語学力の条件交渉といったセンシティヴな問題はやはり先方の担当者の表情を読みながら話し合ったほうがストレスなく進む。お互いの派遣学生について、ひとりひとり名前を挙げながら様子を確認すれば協定校とのさらなる信頼醸成にもつながる。


専門化が進む大学の“海外PR”


それにしてもNAFSAなど海外の大学フェアに初めて参加する日本の大学関係者はそのショーアップぶりに驚くのではないか。英語圏をはじめ、いくつかの国では留学生招致・派遣を国家の重要産業と位置づけている。そうした国の大学でPR業務を担うのは企業の広報や営業、マスコミ出身者などその道のプロフェッショナルだという。
PRツールをプロが作るというと単にデザインに凝るだけの表面的なとりくみととられるかもしれない。いうまでもなく大学の「ブランド力」とは世界的に評価される優れた研究力であり、社会に貢献する優秀な人材を育成する教育力だ。うまいPRとは大学のそうした強み、潜在力や魅力を上手に掘り起こしたうえでわかりやすくプレゼンテーションすること。海外の大学はそこがうまいという印象を受けた。


今年度のPRグッズ。リーフレットをコンパクトにした

本学も海外広報に力をいれるべく、大学案内パンフレットについては今年度から従来の冊子スタイルをやめてコンパクトなデザインのものに変えた。
また、大学を紹介するパワーポイントを用意してタブレットに入れ、アポをとった相手校に見せるようにした。打合せの終わりにはこのパワーポイントや英語講義リストなどをロゴ入りUSBに入れて、先方に手渡した。
このあたり、スタイルについてはようやくグローバル・スタンダードに近づけたと思う。今後は記念品なども含め、さらに本学の魅力を海外にアピールできる広報戦略を練っていきたい。


課題発見の場としてのNAFSA


「NAFSAという場はいろいろな活用の仕方がある。協定校との交渉だけでなく、ワークショップやセミナーも含め、世界レベルで情報収集ができる魅力的な場だと思う」。今回初めて参加した本学職員が感想をもらしていた。同感である。
「大学グローバル化」のかけ声により、協定校や英語による講義をとにかく増やすという「数」でのグローバル化を進めがちではあるが、言うまでもなく「質」の向上も伴わなければ長続きしない


本学ブースでの来場者対応

今回、様々な大学関係者との対話の中で、そちらの教育の特色は何か、フラッグシップとなる研究は何なのか、教員の研究内容の詳細を教えてもらえるかといった具体的な質問を何度も受けた。問いに答えるなかで本学のグローバル化にとっての課題が次々に見えてきた。
また、すでに学生交換が軌道に乗った協定校にしても、ただ年数を積み重ねるだけでなく、協力関係の質的向上、言いかえれば新しい価値観を作り出していくことも課題だと思うようになった。

今年の年次総会のテーマは “Diverse Voices, Shared Commitment”。グローバルな教育者がコミットすべき共通の価値観とは、国や文化の違いを超え、未来の学生と研究者を育成する環境を整えることである、という意志が込められているという。
アメリカの留学生担当職員にとってはトランプ政権によるビザ規制の強化は日々の業務に直結するリアルな問題であり、NAFSAは教育系NPOとしてビザ問題改善を政府に働きかけていると公式サイトに記されていた。
総会の場でも「大学の使命のひとつは国と国との協力を深めること。排外主義の流れには抵抗しなければいけないですよね」という声が聞かれた。なぜ教育のグローバル化が必要なのかーー日々の業務に忙殺され、忘れがちなその原点を再認識する貴重な機会をNAFSAは与えてくれた。


報告者:押村 高 / 青山学院大学 副学長(国際交流担当)




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