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報告:JAFSA国際共修研修2023「Diversity(多様性) & Inclusion(包摂性)を国際共修に活かす」(2023年11月10日)

報告:JAFSA国際共修研修2023「Diversity(多様性) & Inclusion(包摂性)を国際共修に活かす」(2023年11月10日)

研修概要・目的

国際共修とは、多様な文化的・言語的背景をもつ学生同士の学び合いの場を指すとともに、そうした学習環境をファシリテーションによって作り上げる教育的仕掛けのことも指します。
学習者の文化的・言語的多様性を活かすために、国際共修ではそうした多様性を「学びのリソース」として積極的にもちより、突き合わせることで、学習者が自身の価値観の再構築を図ることを促します。
その一方で、国際共修に参加する学生および教職員は、文化的・言語的多様性により生ずるマジョリティとマイノリティの関係性やステレオタイプ、無意識の偏見、コミュニケーションスタイルの違い等について意識的になることも必要です。
そのような意識化がなければ、多様であることが真に尊重され、誰もが学習者として公平に迎えられるような環境を作ることは困難です。つまり、国際共修にとって、多様性、公平性、そして包摂(Diversity, Equity & Inclusion; DEI)はとても関係の深い概念なのです。

2023年度JAFSA国際共修研修は、DEIの中でもとくに多様性と包摂性(D&I)に注目し、これらについて体験的に理解を深めながら、国際共修の実践へ取り入れるために必要なポイントを協働学習により学ぶことを目的とします。
具体的には、参加者がD&Iを「自分ごと」としてとらえられるような講義とミニワークをおこなった後、D&Iの視点を取り入れた国際共修について、グループワークにより深く考察します。

国際共修とD&Iの関係を理解し、国際共修に参加するすべての学生が自分らしく学ぶことができるような環境作りに向けた姿勢を身につけることが、本研修の目標です。
そして、国際共修のより質の高い実践のために、参加者同士のネットワークを築くことも、本研修のもう一つのねらいとします。

開催データ:

研修名: JAFSA国際共修研修2023「Diversity(多様性) & Inclusion(包摂性)を国際共修に活かす」~すべての学習者が自分らしく学べるように~

日 時:  2023年11月10日(金)10:00-12:30「研修」、12:30-13:00オプション(参加任意)「ランチ交流会」
形 式: オンラインにて(Zoom)
参加者: 17名/14団体会員(14大学)16名、個人賛助会員1名
大阪商業大学、学習院大学、神奈川大学、関西学院大学、
札幌国際大学・札幌国際大学短期大学部、昭和女子大学、
創価大学、帝京大学、東京家政大学、名古屋大学、名古屋工業大学、
南山大学、一橋大学、立命館アジア太平洋大学

講 師:(講義順、敬称略)

末松 和子
東北大学 副理事(国際交流担当)高度教養教育・学生支援機構 グローバルラーニングセンター 副センター長・教授
平井 達也
立命館アジア太平洋大学 教育開発・学修支援センター 教授
米澤 由香子
東北大学 高度教養教育・学生支援機構 グローバルラーニングセンター 准教授
秋庭 裕子
東京学芸大学 大学教育研究基盤センター機構 国際交流/留学生センター 准教授

研修内容

【当日の流れ】
9:00~ 9:05  開会のあいさつ
9:05~ 9:40  Diversity(多様性)を自分ごとにする講義とワーク
9:40~10:30  Inclusion(包摂性)の意味と意義を考える講義とワーク
10:30~10:35  前半のまとめ
10:35~10:45  休憩
10:45~11:45  グループワーク概要説明&グループワーク「国際共修にD&Iの視点を取り入れる」
11:45~12:05  グループワーク成果発表
12:05~12:25  解決事例の説明+Q&A
12:25~12:30  閉会のあいさつ
12:30~13:00  (オプション、参加任意)ランチ交流会

研修後のアンケート結果 ※一部抜粋

<参加者の声>

  • ケーススタディを通して、自分の業務や仕事にもD&Iをどのような視点で生かせばよいかが学べた。
  • 講義とグループワークを交互に行き来したことでより理解が深まったと感じている。学習者の立場で、理論を聞き、ワークをやって、講評を聞き、振りかえる、という一連の流れを体感できたことで、こんな風に授業を組むとこういう効果があるのかと身をもって知ることができた。
  • 国際共修の授業実践についての話が中心になることを予測していたが、実際は予想していたよりも幅広い内容で(例えば、教室外のケーススタディのトピックなど)、大変有意義な学びとなった。

<参加者の声>

  • 多様性とは、D&Iとは、について改めて理解することができた。
  • D&Iが国際共修に活かされる理由が身をもって体験できた。とてもためになった。
  • 分かりやすい解説で、理論と実践を繋げて考えることができた。

<参加者の声>

  • グループワークを通して、D&Iの考え方をすぐに実践することができ、理解度が高まった。
  • グループワーク自体を多様性と包摂性を考えながら実施するという面白い取組みだった。
  • グループメンバーが同じような業務に従事している方々だったので話やすかった。
  • 他大学の状況や、色々な考え方を聞くことができてよかった。また、教員・職員それぞれの立場から意見を聞くことができ、普段あまりできないことなのでよかった。

<参加者の声>

  • 小人数の参加者で著名な先生方とお話させて頂く機会となりとても緊張した。みなさま温かい方々で経験の共有やご助言をしてくださり非常に勉強になった。
  • 講師の先生から、「日本らしい国際化」について概念などを紹介いただき、日々の業務に活きる新たな視点を得ることができた。

参加者からの声 ※一部抜粋

  • 講義、グループワークも経験することで国際共修の意義が良く分かった。
  • 今回の研修の導入から事例ケースまでの流れは大変理解し易かった。また、事例も身近な課題であり、更に経験者から解決に向けての意見が聞けて大変良かった。
  • 日々のD&Iの実践を振り返る時間になった。心地よいチームやグループを作る工夫を実践していきたい。
  • とても勉強になった。今回学んだことを日々の業務に活かしていく。また、所属部署のメンバーへも共有する。
  • とても充実した内容で贅沢な時間だったと感じている。今回学んだことを職場でさっそく共有する。
  • 業務について、見直すきっかけとなった。
  • グループワークの中でも居心地がいいと感じられる、素敵な研修だった。
  • グループワークを通して、国際共修の概念を具体的に理解することができた。また、ケーススタディを通して、日々の業務で起こりうる課題や問題に対して、当事者目線で向き合うことができ、今後の業務に活かせるポイントを学ぶことができたため、本研修に参加できたことに大変満足している。
  • 国際共修の授業実践を体験してみたいと思った。その上で、先生方がどのようなことを埋め込んで設計しているのか、など具体的に考えてみたいと思った。
  • 参加者全員が様々に意見を肯定的に受け止めており、初対面ながら居心地がよかった。教員・職員とが混在しているのも、違う切り口からの意見が挙がったという点でも大変良かったと思う。あっという間に終わってしまい、もっと学びたいと感じた。