JAFSA会員専用ページ

【奨励金受給者参加報告】2024年度-APAIE2025デリー大会- 横浜国立大学 北村 梓紗氏

【奨励金受給者参加報告】2024年度-APAIE2025デリー大会- 横浜国立大学 北村 梓紗氏

1.参加の目的

APAIE2025への参加には、主に2つの目的があった。
1つ目は、本学の協定校を含む多くの大学と積極的に情報交換を行い、そこで得た大学の情報や魅力を本学の学生に伝え、留学者数の増加に貢献することである。私は現在、主に交換留学や語学研修など、本学の留学に関する業務を担当しているが、本学では近年、日本人学生の交換留学者数の減少が課題であり、今後留学者数を増やすためには、米国やオーストラリアなど英語圏に限らず、アジアやヨーロッパなど様々な地域の大学への留学促進が必要であると考えている。そのためには、学生に対して英語圏以外の大学の魅力や学びの機会を伝えることが重要であり、本会議で情報を収集したいと考えた。
2つ目は、国際業務に関する知識と経験の幅を広げることである。これまで他大学でも国際課で勤務した経験はあるものの、新型コロナウイルスの蔓延及び海外への渡航制限のため、海外出張や海外の大学等に勤務されている方との交流について経験したことが無かった。今後、国際系業務を継続して担当する上で、海外出張や国際教育フェアなどの積極的な参加は必要不可欠であると考え、以上の2点を目的として、APAIE2025に参加した。

2.事前準備

APAIE2025参加にあたり、事前に本学の協定校に対してメールでアポイントメントを取り、ミーティングの調整を行った。その結果、当日はスムーズに各協定校とのミーティングを開始することができた。また、APAIE2025の公式アプリを事前にダウンロードし、当日のセッション内容を確認したことで、参加希望のセッションを計画できた。さらに、協定校とのアポイントメントを含めた当日のスケジュールも事前に整理することができ、全体として計画的かつ効率的な参加ができたと感じている。
一方で、開催地であるインドに関する生活習慣(例:トイレの使用方法)については、十分に事前調査を行っていなかったため、現地で戸惑う場面もあった。この経験を通じて、海外出張に際しては、滞在先の文化や生活情報についても事前に把握しておくことの重要性を実感した。

3. 活動内容

①STUDY in JAPAN情報交換会

APAIE2025への参加に先立ち、JAFSA主催のSTUDY in JAPAN情報交換会に参加し、日本国内の大学の担当者と情報交換を行った。この情報交換会を通じて、本学が直面している留学に関する課題について、他大学においても同様の状況が見られることや、それらの課題解決に向けた取り組みの情報を得る事ができ、大変有意義な機会となった。さらに本情報交換会を通じて知り合った方々には、APAIE期間中や帰国時にも大変お世話になり、人との繋がりの大切さを改めて実感した。他大学の国際担当者と直接交流できる場は限られているため、今後もこのような機会があれば積極的に参加していきたい。

②APAIE2025大会-協定校とのミーティング-

主に本学協定校とのミーティングを通じて、交換留学に関する情報交換および本学独自の「YOKOHAMAソクラテスプログラム」の広報活動を実施した。交換留学の派遣・受入が活発な協定校に対しては、留学中の学生の近況報告や今後の交換留学の方向性、広報活動に関する意見交換を行った。一方、交換留学の派遣・受入があまり活発でない協定校に対しては、Fact sheetの不明点の確認、語学要件や大学寮の情報など、交換留学に関する基本的な情報を改めて整理できた。特に、派遣・受入があまり行われていない協定校からは、直接対話することでこれまで得られていなかった貴重な情報を直接得ることができ、本学の今後の交換留学促進に向けて非常に有益な機会となった。また、ミーティングを通じて、交換留学に関する情報のみならず、外国人学生の日本への留学意欲についても知ることができた。特に、タイやヨーロッパ諸国では、近年日本留学への関心が高まっていることを初めて知ることができた。加えて、非協定校とのミーティングも実施し、交換留学の概要や短期留学プログラムに関する情報交換を行った。

大会会場内の様子_こちらで、飲食やミーティングを行うことができた
各国出展ブースの様子

③APAIE2025大会-セッションの参加-

APAIEが提供しているセッションのうち、主に留学に関するトピックを扱ったものを中心に受講した。特に、学生が留学に参加する動機や期待する成果について、大学の実例を用いて考察するセッションが印象的だった。セッションの最後には、各国における留学促進の取り組みについて意見交換が行われた。各国の状況等は多様であるため、他国の事例をそのまま取り入れるのではなく、自国の実情に即した形で留学支援策を検討・実施していく必要性を感じた。

4. 総括

この大会参加を通して、対面でのコミュニケーションの重要性を改めて実感することができた。
海外の大学の情報は、Fact sheetや大学の公式ウェブサイトなどから得ることができるが、そこに記載されていない詳細な情報や最新の状況までは把握しきれないことも多い。一方、対面でのミーティングでは、相手の表情や反応を見ながらその場で質問ができるため、スムーズにやり取りができると感じた。さらに、Fact sheetやウェブサイトには記載されていないような、各大学ならではの魅力や取り組みを担当者から直接聞くことができたことは非常に貴重な経験であった。参加目的としていた情報交換や経験の獲得は想定以上に達成することができ、この経験を本学の今後の交換留学促進に活かしていきたい。
最後に、このような貴重な体験の場を提供いただいたJAFSAの皆様に心より感謝申し上げます。

APAIE2025インド・デリー大会参加

横浜国立大学
学務・国際戦略部グローバル推進課
留学交流係
北村 梓紗