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【実施報告】:AIEA2023年次大会(2023年2月)

【実施報告】:AIEA2023年次大会(2023年2月)

AIEA 2023年次大会(2023年2月) 参加報告

AIEA2023年次大会は、2月20日から2月22日まで、ワシントンD.C.のJWマリオットで開催されました。JAFSAによるセッションでは、JAFSA理事校「テンプル大学ジャパンキャンパス」「東海大学」「津田塾大学」が共同プレゼンターとして、”Elevating the international education experience for students through a Japanese lens” と題したセッション発表を行い、日本の高等教育に関する知識と経験を共有しました。

このパネルでは、日本の視野と経験を通じて、Dual Degree、海外拠点キャンパス、concurrent admissions、joint programs等に焦点を当て、ポストCovid時代に学生と高等教育機関がWin-Winのシナリオを作る方法について議論しました。

テンプル大学ジャパンキャンパスのウィルソン学長は、グローバル化によって国際的な経験値を積んだ学生を重視する企業が更に増えていることを指摘しました。発表では、テンプル大学を例に、海外の大学の分校が日本でどのように運営されているか、そして日本の大学がどのように海外オフィスや拠点を設立・運営しているか説明し、日本における留学生のinbound/outboundの状況や、日本の学生の海外留学数が減少している背景についても指摘しました。ウィルソン学長はこれらの問題点への行政の関与、学生へのサポート、複数大学による合同コース、Double Degree、バーチャルを利用したインターンシップ等で国際教育を向上させる方法を提起しました。

東海大学の吉川副学長より日本とアメリカの大学制度の違いを説明し、その問題点を解決する方法として日本の大学における学内プログラム新設・調整方法や、ハワイ東海インターナショナルカレッジを例としたコネクター機関を設立することで、より多くの外国人留学生の日本誘致が可能になる点を提起しました。

津田塾大学の高橋学長は「日本のリベラルアーツ大学における国際交流」へのパンデミックの影響について説明しました。高橋学長は津田塾大学を例として、パンデミック前、中、後の学位取得を目指す留学生数の推移を説明し、交換留学生の動向と欧米の大学間の差異についての問題を提起しました。

セッション参加者は約20名程度でしたが、プレゼンテーション後の質疑応答ではオンライン交換留学の機会(COILを含む)、分校の運営、交換プログラムなどについてより詳しく知りたいと熱心に質疑が交わされました。
日本の大学が海外パートナーと協力して、将来の産業、教育、政治を牽引できるリーダーを育成するための取り組みにはどのような方法があるのか、特に次世代の女性リーダーを育成するために国際教育に関わる現場がどのように貢献していけるかが重要なポイントになるのではないかと感じました。

報告者:テンプル大学ジャパンキャンパス(JAFSA理事校)
学長 マシュー・ウィルソン 氏

JAFSA Session (AIEA2023)

《発表日時》2023年2月21日(火) 9時15分~10時15分
《発表会場》JW Marriott Washington, US
《参加者数》約 20名
《タイトル》
“Elevating The International Education Experience for Students Through a Japanese Lens”
《セッション発表者》(敬称略・大学名順)
◆ファシリテーター兼プレゼンター◆
テンプル大学ジャパンキャンパス(JAFSA理事校)
学長 マシュー・ウィルソン 氏

◆プレゼンター◆
津田塾大学(JAFSA理事校)
学長 高橋 裕子 氏

東海大学(JAFSA理事校)
副学長(国際担当)吉川 直⼈  氏

AIEAとは?

AIEA(エイアイイーエイ)は1982年に創設された米国の国際教育交流団体です。
NAFSA、EAIE、APAIEとはカラーが異なり、高等教育機関の経営や教育方針に関する意思決定者が多くメンバーになっていることが特徴です。公式サイトでも “The Association of International Education Administrators (AIEA) is the the only association specifically focused on international education leadership” とうたわれています。
年次大会は毎年ほぼ2月に米国ワシントンD.C.、サンフランシスコを始めとする米国各地で行われ、ブース展示ではなくセッション中心で形成されているのが特徴の大会です。2023年の年次総会はワシントンD.C.で開催されましたが、2024年の年次総会も引き続きワシントンD.C.で開催予定です。

AIEA2023年次総会は全世界40か国以上から780名の参加があり米国・カナダからの参加者が例年多数ではありますが、日本の大学からの参加者も例年一定の割合を占めています。JAFSAでは、日本の参加者増に合わせて2017年次大会(2017年2月)より、JAFSA理事大学を中心に構成したセッション発表で参加しています。
AIEA年次大会でのセッションは質の高さを求められるため審査が大変厳しく、JAFSAセッションは7年連続で採用され、大会での発表を通し日本の高等教育のプレゼンスを高めることに貢献しています。また、JAFSAは2019年より、コーポレートメンバーとしてAIEAに登録しました。